1勝100敗 婚活回想録

婚活体験談をおもしろ、おかしく書いてます

カッコいい写真撮ろうぜ!

そんな軽いノリで誘われて、何も考えずに「おぅ、やろーやろー」と言ってしまった、俺。
ここから、私と彼女との婚活が始まったのである。彼女とは年齢も同じ、地元も同じ、小学校は隣だったということが分かり、一気に意気投合した。
懐かしい友達みたいな感じだと思えばいい。
さて、始めるといった以上、やらないといけない。まずは申込用紙に名前を書こうねと、サークルの勧誘かよ。
俺は彼女と一緒に夕食を食べてから、確か、美味しいパエリアだった、ホテルのラウンジで事務手続きをした。
別にホテルである必要は全くなかったのだが、夜遅くまでやってるところはラウンジだよね、 そうだよねぇーと二人で声を合せてのんきにラウンジに向かった。
しかし、俺たちはここで大きなミスをしていたことに、まだ気がついていない。
都内の高級ホテルのラウンジでは、静かにしないといけない。ふかふかの絨毯が敷いてあっても、つま先立ちで歩く必要がある。ほっかむりをするとポイントアップだ。
絨毯以上にふかふかのソファに座り、説明書や今後の流れを彼女が説明をするときに、我々の致命的なミスが判明した。
なんと暗くて字が見えないのだ。なんだよ、こんなんだったらデニーズとかでよかったじゃんか。しかし、彼女は、ひるまなかった。なんとなくそんな感じ~、昔のラップのノリで説明をされると、俺もおぉーいぇぇと言わざるを得ない。
婚活は横のりリズムに任せ、事務手続きを彼女にまかせ、自分は川の流れに身を任せた。


さて、次は写真が必要と言うのだ。幸運なことに俺の最寄りの駅には証明写真機がある。あれは、俺のためにあったのか、素晴らしい。しかし、そんなのではダメだという。なんでだよ、同じ写真だろ。

彼女の説明によると、この活動用のプロの写真屋がいくつもあるから、そこで撮影してもらった方がいいという。
俺の知っている婚活の写真というのは、2つ折りの立派なやつに収められている(これ、なんていう名前なの?知っている人教えて)、写真一面に顔が写っているやつだ。あんなのは正直嫌だ。
あれを撮影するなら、まさしく証明写真でいいだろと反論をすると、あれは時代遅れだ!考え方が昭和だ!と思いつく限りの汚い言葉で罵倒された。
今のご時世はもっとお洒落なかっこいいものだと言い、いくつかサンプルを見せてくれた。
そこには、力んだ感じは全くなく楽しそうに笑っている写真がいくつも並んでいる。なんと、確かにこれは素晴らしい。見ているだけ楽しそうだ。
写真を撮られるの大嫌いチャンピオンの俺も、まぁ、撮ってみてもいいかなと思うようになった。上手く撮影できたら、LINEのプロフにあげるでもいいし、何かに使かおう、
この写真は、出川哲郎福山雅治にしてしまう。世間では見向きもされない地味な女の子も蝶になる。これは、本当に危険だ。これは、実際に会った時の落胆さは相当なものだ。

 

数日後、なんだかんだとおだてられ、写真の撮影が終わった。俺はこう見えても、そこまでかっこ悪いほうではないと思っている。
いや、むしろカッコいい部類だと思っている。誰かが言ったわけではないが、こんなの言ったもん勝ちだ。自分の写真を見るのは恥ずかしかったが、それなりの出来栄えの写真になっていた。これで女の子はメロメロ間違いない。さすがプロだ。

 

こうして、写真も終わり、最後にプロフィールを書くことになった。実は、これは些細なことに思えるが、非常に大切だ。「土日暇してます」や「趣味は合コンです」なんてことは絶対に書いてはいけない。俺は過去の経験したようなこと、少しはまっていることをベースに、あとはネットの記事を適当にコピペして完成させた。写真と一緒だ。相手に気に入られるために、少しせこいことをしても問題はないはずだ。いや、相手たちはもっと姑息な手を使っているかもしれない。