1勝100敗 婚活回想録

婚活体験談をおもしろ、おかしく書いてます

お見合い3連荘 第2戦

*更新が遅くて申し訳ありませんでした**

 

座っている彼女は、背筋がピシッと伸びて、椅子に浅く座っていた。

お見合いだから、そういうところはちゃんとしているんだな、でも彼女からは緊張している感じが読み取れた。そりゃそうだよな、俺だって緊張する。

自分の話題が彼女に刺さるのか、面白いものを彼女も面白いと思うのか?、彼女もしゃべってくれる人なのか、はたまた黙ったままなのか…お見合いの前は、必ず悩んでしまうんだ。彼女のプロフィールに沿った話題を出すようにしているんだけど、その喋りやすい話題すら、はい、いいえのみで終わらせてしまう人が多いんだ。そのようになった場合は、本当に焦る。

開き直ってしゃべることで、話題がそれなりに盛り上がることを経験したが、

どういうわけか緊張というのは、伝染するもので、相手が緊張していると自分も緊張してしまう。そうなると俺も緊張という呪縛にかかって開き直ってということができなくなる。蟻地獄のようにもがけばもがくほど深みにハマってしまう。

だから、俺はいつも早い段階で相手の緊張をほぐすことに力を注いできた。「注いできた」と過去形なのは、緊張をほぐすことの重要性に気が付くのは、もっともっとお見合いをした後なんだ。

 

彼女に待たせたことを詫びて、自己紹介をして、俺はテーブルを挟んで反対側に座った。彼女はカフェラテを注文して、俺はアイスティーを頼んだ。お見合いの中で、アイスコーヒーを頼んだ女子を俺は見たことがない。頼むのはかわいらしい、女子っぽい飲み物ばかりだ。

お見合いのマニュアルに書いてあるんだろうか、服装はかわいらしいワンピースで、華美の服装は避けて、アイスコーヒーも避けて、ブラックなんてもってのほかだ!!

 

写真とは違うのだが、相手もそう思っているに違いない。「写真のイメージと違うので帰ります」は通じないんだな。チェンジができるのは風俗とファミレスのドリンクバーだけだ。

彼女は、ドラマの影響で今の仕事に就いたこと、学生時代の部活の話をしてくれた。

この学生時代の部活の話は、お見合いでは有効だ。話をしているうちに、彼女の緊張が少し解けてきて、自然な笑顔をちらほら見ることができた。

彼女の話題に応えるように、自分も学生時代の話を面白おかしく喋った。過去の数えきれない合コンで使っている持ちネタなので、少しくらい緊張していても澱みなく喋れる。

お約束の笑いを取るところでは、彼女もクスッと笑ってくれた。

 

あっという間の時間だった。「そろそろ行きましょう」と言って、終わりにすることにした。この終わりにするときって、なんて切り出せばいんだろうか?「1時間経過したから、もう終わりでーす」と言うのか、置時計や砂時計なんてないから、終わりにするきっかけが本当に分からない。なので、俺は相手のお茶が終わって、一息ついたら「それじゃ、そろそろ行きましょうか」と言うことにしている。

「そろそろ、行こうか」ってラブホに誘うみたいで、違和感を感じるだが、これが一番しっくり来る。

 

彼女と別れた後、今の彼女とまた会いたいか?そんなことないのか?と、今の1時間で感じた自分の気持ちを反芻させながら、俺はこの日最後の場所に向かった。