1勝100敗 婚活回想録

婚活体験談をおもしろ、おかしく書いてます

名古屋ちゃん、上京!前編

「交際中」となった名古屋ちゃんに、俺は早速電話をかけた。

お互い仕事をしているから、電話は20時過ぎだ。彼女はこの時間はもう家にいるだろうか?もしかしたら、他の男とデートかもしれないし、合コンで一気飲みをしているかもしれない。

昨日の僅かな時間で感じ取った彼女は表向きかもしれない。実際はもっと遊んで、ぶっ飛んでるかもしれない。俺はぶっ飛んでる方が好きなのだが。

最初の電話で、ぶっ飛んだことは言えない。

 

彼女に電話で伝えることは、昨日のお礼、次に会う日程の調整、そしてひつまぶしは美味しかった、この3本だ。だってそうだろ?ひつまぶしは、彼女のアドバイスなんだから。彼女のセンスを褒めないといけないだろ。

 

すぐに電話に出てくれた名古屋ちゃんの声は、改めて聞くと可愛いらしい。昨日会ったときは、そこまで注意を払えなかったけど。

俺は、名古屋は今何時ですか?とボケてみようかと思ったが、滑ったら大変だ。取り返しがつかない。こんなとこで敢えて事故を起こす必要はない。

 

電話で話し始めると、先日の楽しいお見合いのことを思い出した。彼女も昨日楽しいと感じてくれていたらしい。そして、今度は、彼女が東京に来てくれることになった。これは嬉しい。東京なら案内もできるし、ゆっくり話をできる場所も、美味しいお店も知っている。新幹線代が浮くのも嬉しいのだが。

そして、最後にひつまぶしのお礼を言った。名古屋ちゃんのアドバイスに従ってひつまぶしを食べたらおいしかったよ、ありがとうございます。

 

ひつまぶし美味しかったんだ、よかったぁ、実は私そんなに食べたことないんだよね。

 

うそだろ?まぁ、おいしかったから良しとしましょうよ。

 

 

彼女と会うのは翌週の土曜日となった。今から2週間後が楽しみだ。

俺は、いつもこのデートの日程が決まったとたん、悩んでしまう。

デートまでの日って、連絡取りあうもんだよね?それって、頻度どれくらい?

「交際中」だからといって、毎日の連絡は相手にも重荷になるよね?そもそも、毎日、送る話題あるか?作るしかないか。週に23回の連絡くらいにしておくのがいいのかな、話題は…当たり障りのない、こんなことがありました程度にとどめておくか。

 俺はこの難問に、昔からずっと向き合ってる。

いつか、誰かに婚活秘伝を教える日までには、この解答を準備をしておくから、これから婚活をするみんなは心配しなくていい。

 

しかし、今回は、東京・名古屋間の交際だ。

東京で何をしたいか?とか、名古屋はどうなの?と、色々話題はあるので、そこまで苦労をすることはないだろう。

彼女の希望で、食事をした後、都内で開催されている美術展に行くことになった。彼女の注文を聞いて、早速俺は、前後の食事の時間などを計画した。こういう綿密な計画を作ることが、俺は大好きだ。彼女のためのフルカスタマイズだ。気合が入る。

しかしながら、途中で飽きて「あとはノリでいくか」と尻すぼみになるという慣習は、今回もちゃんと適用されて、途中でさじを投げてしまったことは言うまでもない。

だけど、常にいくつかの案や、周辺のお店等の情報はインプットしてあるから、柔軟に対応できるというやつだ。彼女のための気まぐれデートプラニングだ。

 

名古屋ちゃんに会うまでの2週間、俺はしつこくなく、それでもって忘れられないような間隔で彼女とLINEでやり取りを続けた。俺の長くて深い経験からすると、相手がスタンプを送ってきたら、それは一歩距離が近づいたと解釈してまず間違いない。

 

名古屋ちゃんとのデートの日がやってきました。

東京駅に到着した名古屋ちゃんと、再会をした。おしゃれはしているが、以前に比べれば、ぐっとカジュアルだ。これが本来の名古屋ちゃんなんだろう。こっちのほうが親近感が湧く。

まずは、近くのレストランでお昼を食べながら、話をすることにした。

この2週間の間に起ったことや、お互いの職場の話などをした。彼女と俺は業種が違うから、職場の風土も全く違うので、聞いていて楽しい。

いつもの彼女の独特な表現で、俺は笑ってばかりだった。俺も、ジョークをかましながら、学生時代の話や、趣味の話をした。お見合いの時と話題は似ているが、今日の方が話は盛り上がるし、活気があってよろしい。

距離はぐっと近づいたけど、このデートは「結婚相手としてはどうか?という視点からの、相手を知ること」なのだ。

羽目を外すわけにはいかない。お持ち帰りも、ワンチャンもない。実に非情なデジタルなものなのだ。

 

今日のデートの行き先の一つである美術館の時間が近くなったので、俺たちはその場所に向かった。俺は美術には疎いので、美術展にどれだけの人がいるのかは想像できない。どうせ、そこまで人はいないだろう、と。

目的の美術館について、驚いた。 長蛇の列だ!!

 

後編に続く