1勝100敗 婚活回想録

婚活体験談をおもしろ、おかしく書いてます

Mちゃんの正体

Mちゃんとは数回デートしたので、どのデートが何回目なのかとかは全く覚えていない。数回のデートでMちゃんは、少しづつ砕けていってはいるが、それでもどこかぎこちない。だけど、俺は一緒にいて嫌じゃないし、特に気を遣わなくていいことに気がついた。将来を見据えるのであれば、これはこれでいいんじゃないか。


あるデートの帰り道、俺はちゃんと付き合ってほしいと彼女に伝えた。この告白ってやつは、どんなに経験を重ねても緊張してしまう。
いつ言えばいいのか?どういう言い方がいいのか、振られないだろうか。昔、こう言って振られたから、言い方は変えた方がいいのではないか?…このような心配ばかりが頭をよぎり、今日は告白するぞ!と決めた日のデートは朝から落ち着かない。


勇気を振り絞って、お付き合いを申し込んだ結果、OKの返事がもらえた。わーい、わーい、やったーやったー!!!頑張って言った甲斐があったね。
 
晴れて正式なカップルになった俺たちは、他のカップルがいるような休日の公園に繰り出した。ベンチに座って楽しく話すカップルもいれば、芝生に寝そべっているのもいる。俺は歩きながら彼女と手を繋いだ。暑さからから、彼女の手は少し汗ばんでいるようだ。と、思ったら「実は私男性とお付き合いの経験があまりないから、手を繋ぐことが緊張しちゃって」ということだった。
 
えー、いい年齢なのに、お付き合いの経験少ないの?もしかしたら、彼女は俺を騙しているかもしれない。これでは、夜になってキスをするとかは、絶対無理じゃん。つまんない。
彼女のお願いで俺たちは手を繋ぐのをやめて、公園を散策した。時折ベンチに座って話をしたりして。
 
俺たちは、その後頻繁に日帰りドライブデートをした。このデートは本当に楽しかった。だた、俺は手を繋ぎたかったけど、またフラれるのが怖くて、二人きりの場所でも手を繋ぐことはなかった。

あの時、手を繋いでいたら彼女はどういう反応をしたのか、受け入れてくれたのか、拒否されたのか。

 

彼女は、高校まで女子校で過ごし、大学は共学だったが男性への免疫がなかったこと、彼女の大人しい性格が災いして、そのまま大学生活を終わらせてしまったとのことだ。
よく聞く話の一つだよね。相談所みたいなところに登録しないと、男性と会う機会ないからとも言っていた。
また、彼女の話を聞いていると、努力とかして頑張るくらいなら家で漫画読んでた方がいいという、怠けものを絵にかいたような人だった。向上心とかは全くないようだ。
向上心?別に、特にそういうものはないし、人に抜かされても何も感じないし、というのが彼女の言い分だ。
 
俺はこの考え方がうらやましくて仕方がない。俺は小さい人間だから、すぐ世間体とか、周りの目を気にしちゃう。なので怠け者なりに頑張るのだが、やはり限界というものがある。
それなのに、彼女は「自分は好きな道を楽に生きていく」、と言っているのだ。素晴らしすぎる。俺もその考え方に従いたい!!


でも、この二人が結婚すると家が傾かないか?今日が楽しければいいよね、とキリギリスのみの家族は危険すぎる。路頭に迷う。どこかにアリさんはおらんのか!?
もしかして、彼女は怠け者ではなく、実はすっごいお金持ちで勝ち組なんではないだろうか?だから、自由気ままに生きていくと言えるのではないだろうか。
 じっと彼女の話を聞いていると、お金持ちをイメージする表現や話題が出てくる。まさか、お金持ちだったりして。
話をしていくうちに、彼女はお金持ちであるという確信を俺は持った。
 
まさか、お金持ちでしょ?いいなぁーなんて言えないので、俺は黙っていることにした。この男金目当てかよ、ふざけるんじゃねーって思われても嫌だ。
 
そんなあるデートの帰り道の話しだ。
夜遅くなったが、エッチはおろか、キスも手を繋ぐのもない、俺としては盛り上がりに欠けるドライブデートの帰りだ。実家に住む彼女を自宅の前まで送ることになった。

次みぎー、そこの角ひだりー、あ、間違えたー、という平和的な彼女のナビに従い、俺は黙々と住宅街を走り抜けていく。どこの家も立派な大きい家だ。やはり、彼女はお金持ちの家のお嬢様に違いない。立派な住宅街を縫っていくと、他の家を凌ぐビルのような大きい家が現れた。

 

「あ、ここ。ここが私の家。ありがとう。楽しかった」
と言って彼女は、降りて行った。
 
お金持ちどころではなかった、
大金持ちの家のお嬢様だったとは!!。
だから、全てに余裕があるんだ。なるほど、なるほど。俺は全てを理解して、納得した。まさかこんな大金持ちを当てることになろうとは、思ってもみなかった。
 
でもさ、結婚ってお互いの家族のこともあるわけだ。
庶民の俺と彼女の家が釣り合うのか?結婚となったとき、彼女の両親は俺のことをどう思うのだろうか??など、俺の悩みはどんどん増えていった。